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酔郷譚

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(この写真を撮ったのはもう何年前だろう…)

ここ数日ずっと倉橋由美子の『完本 酔郷譚』をちまちまと読んでいる。
詳しいことは知らないのだけれどもサントリークォータリーというサントリーのPR誌で連載されていた短編とのことで、お酒の話。
バーテンダーが出すお酒でこの世とあの世、夢幻の世界へと主人公がいざなわれる…という言ってしまえばよくある話。さらにその幻想的な世界というのが官能的なシーンが多くて、その流れももう本当にお決まり…なのだけれども、読み終わるのが勿体ないと思えるほど良い。
淡々としていて、でもとっても楽しい。憂いすら喜び遊びのうち、登場人物全員に「嬉々として」という表現がぴったりな心地よいリズムがある作品。今でも書店で購入できる、数少ない倉橋由美子作品の1つだけれどあまり知られていないのは勿体ないなぁと思う。

話は全く変わって、冬の薄暮(この言葉が好きなので敢えて)は本当に美しくて、濃厚なカクテルのような色だと毎日思う。上澄みの夜は少し苦くて甘いカシス、底にある昼は柑橘系、という感じ。
わたしの住んでいるどうでもいい街の、どうでもいい景色にもそんな奇跡のような空が毎日あって、そのうちに精巧な舞台装置みたく星やら月やらが夜に浮かんでくるから、ぼんやりと眺めては何だかくらくらしてしまう。

2013.01.17 | | コメント(0) | トラックバック(0) | 未分類

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kito yukari*

Author:kito yukari*
NATURA CLASSICAで撮る、日々。

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